
服従の心理 (河出文庫)
S・ミルグラム and 山形浩生
河出書房新社 / 2012-01-06
この本について
仕事でも日常でも、「なんであの場面で何も言えなかったんだろう…」みたいな引っかかりってありますよね。相手に強制されたわけじゃないのに、気づけば流れに乗ってしまっていたり、後になって急に胸がざわついたり。僕もそういう瞬間がよくあって、自分の判断力が弱いのかと落ち込むこともあります。 『服従の心理』は、あのモヤモヤを「弱さ」ではなく「人間の仕組み」として捉え直してくれる本でした。例えば、手続きをこなすことに集中すると、目の前の広い帰結が見えなくなる話は、まさに仕事で経験してきたことそのままですし、「自分は単なる代理人だ」と思い込むと責任感が薄れてしまうという指摘も、日常の場面に置き換えると驚くほど分かりやすい。気づけば判断を手放している瞬間が、誰の中にもあるんだなと静かに納得させられます。 もう一つ刺さったのは、途中で止まることより「続けるほうが気が楽になる」という心理です。過去の自分を否定したくなくて惰性で走り続ける感じは、仕事でも人間関係でも思い当たるところがありました。自分がどの段階で境界を越え、どんな理由づけで従ってしまうのかを知るだけで、行動の選択肢が少し広がる気がします。 組織の中で「気づいたら流されていた」を減らしたい人には特に刺さると思います。
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