
天才 (幻冬舎文庫)
石原慎太郎
学研教育出版 / 2009-12
この本について
仕事でも日常でも、自分の判断に自信が持てず「これでいいのか」と立ち止まることがあります。正解はないと分かっていても、迷ってばかりだと前に進む力も鈍ってきます。そんな時に『天才』を読むと、肩の力が少し抜けるというか、「迷うのは当然なんだ」と思える余白が生まれました。 この本に出てくる田中角栄の姿は、よくある英雄譚とは違って、泥臭さや矛盾ごと描かれています。天命に逆らえない感覚や、不条理を抱えたまま仕事を進める姿は、私たちの日常の延長にも見えます。部下のミスを自分が全部背負うとか、専門外に飛び込んで殴られながら学ぶとか、失敗も混乱も含めて「やれる範囲で前に進むしかない」という現実的な踏ん張り方が印象に残りました。それに、大局を見ながらも裏では細かく根回しをしているような、きれいごとだけでは動かない仕事の実像も赤裸々です。 特に刺さったのは、将来を見通す力よりも、状況の中で判断し続ける体力のようなものを感じられた点です。正しさより現実、理念より段取り、それでも責任は自分が持つ。このバランス感覚は、日々の判断に迷いやすい人にしっくりくると思います。 派手な感動というより、混沌の中で働く人ほど沁みる本です。こんな人に刺さると思います。理屈より「どう動けばいいのか」を探している人。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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