
よき経営者の姿 (日本経済新聞出版)
伊丹敬之
日経BP / 2013-12-02
この本について
最近、決めきれずに動きが止まることが増えたとか、人を巻き込む場面になると急に自信がなくなる、そんな感覚を抱えている人って多いと思います。自分でやるぶんには何とかなるのに、誰かを通して物事を動かすとなった瞬間に、途端に迷いが大きくなるんですよね。僕もそこがずっと苦手で、正解のない状況で踏み出すたびに「これでいいのか」と何度も足がすくんできました。 『よき経営者の姿』は、いわゆる経営論というより、そういう“迷いながら動く人”の視界を少し広げてくれる本でした。たとえば、選抜で大事なのは精度じゃなく納得性だという視点は、チーム作りのストレスを減らしてくれますし、強さは硬さではなく柔らかさを含んでいるという指摘は、いわゆる「強いリーダー像」に縛られていた自分には救いでした。また、決断の質よりも「決めて方向を出すこと」の重さを丁寧に語ってくれるので、完璧な論理を積む前に動けるようになる実感があります。 派手な成功談ではなく、現実のディテールに沈みこんで考える姿勢を教えてくれる本なので、かっこつけずに地に足をつけて仕事を進めたい人に向いています。特に、「他の人が壁に見えるところにドアを見られるようになりたい」と感じている人には、静かに効いてくる一冊だと思います。
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