
五色の虹 満州建国大学卒業生たちの戦後 (集英社文庫)
三浦英之
集英社 / 2015-12-20
この本について
最近、「知ったところで何が変わるんだろう」とか、「過去に向き合う意味ってあるのか」と、歴史や教養との距離感に迷う人が多い気がします。正直、仕事には直結しないし、答えがすぐに返ってくるものでもない。でも、放っておくとずっとモヤモヤが残る種類の問いでもあります。 『五色の虹』を読んで思ったのは、知ることの痛みや、意見の違いを受け入れる勇気みたいな“生きる上で避けがたい部分”に、丁寧に光を当ててくれる本だということです。満州建国大学という特殊な環境を通して描かれるのは、歴史の重さよりも、そこで学んだ若者たちが「教養に救われた瞬間」や「負けを受け入れる勇気を身につけた過程」のほうで、読んでいると自分の迷いと地続きになってくる感覚があります。特に、知ることは傷つくことだという言葉は、わかっていても目を背けがちな部分をそっと押してくれます。 歴史を扱っていながら、どこか今の自分たちの話にも重なるのは、「教養はすぐ役に立たないけれど、絶望しそうなときに人を支える」という体験が繰り返し語られるからだと思います。仕事に追われて学ぶ意味を見失いそうなときや、自分の意見が揺らぐのを恐れてしまうとき、この本は少し違う角度から気持ちを整えてくれるはずです。 特に、「知る勇気」と「負けを受け入れる勇気」の両方に疲れている人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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