
神田松之丞 講談入門
神田松之丞
河出書房新社 / 2018-08-01
この本について
仕事でも日常でも、「結局どの視点で物ごとを見るべきなんだろう」と迷うことがありませんか。正しい判断をしたつもりでも、あとから「そもそも立つ位置が違ったかも」と気づいてモヤっとするあの感じです。僕もよくあります。 『神田松之丞 講談入門』を読んで印象的だったのは、落語と講談の違いを「どんな人間を追いかけるか」というカメラの向きで説明しているところでした。逃げちゃった人間を描く落語と、忠義を貫いた人間を描く講談。どちらが正しいかではなく、物語の焦点が変われば、見える景色も変わるというごくシンプルな事実を、妙に腑に落ちる形で示してくれます。僕自身、仕事で人の言動を解釈するときに、この「どっちを撮ってるのか」という問いが一つの整理軸として効いています。 また、講談の世界に触れると、普段は軽く流してしまう「踏みとどまる人」の心の動きが立ち上がってきます。自分なら簡単に逃げそうな局面でも、あえて最後まで向き合う人がいる。その存在を覗き込むだけで、自分の行動を少しだけ丁寧に見直すきっかけになるんです。 物ごとを見る角度を整えたい人、特に「判断がぶれる自覚がある人」に刺さる本だと思います。講談の解説書というより、人間の見方を少し静かに揺らしてくれる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの67%が集中しています。
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