
チャイナ・イノベーション
李 智慧
日経BP / 2021-02-26
この本について
仕事で中国の動きを追わなきゃと思いつつ、「スピードが桁違いって言われても、結局なにがどう違うのか分からないまま」みたいなモヤモヤ、僕もずっとありました。とくに日本の空気の中にいると、中国のテック企業の判断の速さや、生活者の変化への適応が実感しづらいんですよね。 この本は、その“実感のなさ”を埋めてくれるところが大きかったです。たとえば、メール一本でサーバー1000台増設が10分で決まるような意思決定の速さは、単なる武勇伝ではなく、なぜそんな文化が根づいたのかまで描かれていて、スピードの背景を自分の仕事に置き換えて考えやすいです。また、アリペイが焦りから一気に「All in Mobile」へ舵を切ったプロセスは、後追いではなく“目の前の生活者の変化をどう読むか”という視点で読むと、今の日本でも十分通用する学びがあります。さらに、QRコード方式の選択や羊毛党など、生活者のリアルな行動からサービスが形づくられていく流れは、机上の戦略では拾えない具体性があって、読みながら自分の顧客理解の甘さにも気づかされました。 中国の真似をしよう、という話ではなく、「環境が変わったとき、企業はどの順番で意思決定するのか」を知りたい人に刺さる本です。
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