
いまこそ、希望を (光文社古典新訳文庫)
サルトル、レヴィ、海老坂 武
光文社 / 2019-02
この本について
最近、世界そのものに少し疲れる瞬間が増えた気がします。社会の空気にどこか閉塞感があって、「目的とか意味とか、そんな大きいものを持てと言われても無理なんだよな…」と感じる日もある。前に進みたい気持ちはあるのに、足元の正しさが揺れるようなあの感じです。 『いまこそ、希望を』は、その揺れをごまかさずに扱ってくれる本でした。サルトルが語る「絶望は希望の反対ではない」という言葉は、読者が保存している箇所からも分かるように、多くの人が抱えている諦めと前進の混ざった感情に近いと思います。目的を放り出したくなる瞬間があっても、人はそれでも何かに向かって反応してしまう。その「反応そのもの」を手がかりにして生きていく、という視点がこの本の大きな救いになっています。また、「自分ひとりの思想で世界は変えられないけれど、どの流れに身を置くかは選べる」という話も、行動のスケールを現実的に捉え直してくれました。肩に乗っていた過剰な期待を少し下ろせる感じがあります。 大きな答えを求めている人よりも、「自分はどこに立っているのか」から考え直したい人に向く本です。希望という言葉が軽く聞こえてしまう人ほど、ひと呼吸置いて読んでみると、見え方が少し変わるかもしれません。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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