
あした、また学校で (文学の扉)
工藤純子
この本について
子どもの「学校に行きたくない」に向き合うときって、何が正解なのか本当にわからなくなりますよね。無理に行かせるのが違う気もするし、でも休ませ続けることへの不安も消えない。周りの声に揺さぶられて、自分の判断まで信じられなくなるときがあります。 『あした、また学校で』は、まさにその“揺れ”の中にいる親の視点が丁寧に描かれています。将人が自分を責めてしまう場面や、母親が学校に話をしに行くときの緊張感、何度も心が折れそうになる描写が続くのに、読みながら不思議と孤独が薄れていくんです。誰かを守ろうとしているのに、その気持ちがうまく伝わらないときの苦しさや、言いたいことを飲み込んでしまうあの感覚に、「ああ、同じだな」と思えてしまう。 そして、この本が効くのは、親がただ強くなる物語だからではありません。将人が「存在していることそのものが大事なんだ」と抱きしめられる場面みたいに、“できる・できない”じゃなく、子どもがそこに生きていることを見つめ直す視点をくれるところ。さらに、学校との話し合いのシーンがきれいごとじゃなく描かれているので、現実のしんどさを抱えたまま読んでも置いていかれません。 子どものペースを尊重したいけど、どう支えればいいのか迷っている人に、静かに寄り添ってくれる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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