
ドリーム・ハラスメント 「夢」で若者を追い詰める大人たち (イースト新書)
高部大問
イースト・プレス / 2020-06-10
この本について
「夢を持て」と言われるたび、なんとなく胸がざわつく人は多いと思います。やりたいことを聞かれても即答できないし、そもそも“夢を起点に生きる”前提で話が進むたびに、自分だけ取り残されているような感覚が残る。僕自身、学生時代からずっとこの違和感を抱えていました。 この本が面白いのは、「若者が夢を持てない」のではなく、「大人が夢を道具にして若者を走らせようとしている」という構造を丁寧にほどいていくところです。まず行動が先で夢は後から生まれる、という視点はすごく実感に近いし、「やりたいことが無くても、やりたい“方法”ならある」という指摘は、息の詰まった状況に小さな逃げ道をつくってくれる感覚があります。また、計画的偶発性の話にも触れられていて、歩き出しさえすれば偶然が味方してくれる可能性が高まる、という現実的な示し方も無理がない。 読んでみて、「夢が無い自分を責める必要は無い」と自然に思えてくるのが、この本のいちばんの効き目です。夢はしばしば“強制されるもの”として語られるけれど、本書は逆に、目の前のことをやりながら“後からくっついてくるもの”として扱ってくれる。その視点の変化が、焦りを静かにほぐしてくれます。 夢に対してずっと居心地の悪さを感じてきた人、進路や仕事で「これだ」が見つからずに立ち止まっている人に、特に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの15%が集中しています。
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