
国際人権入門 現場から考える (岩波新書)
申 惠丰
岩波書店 / 2020-08-20
この本について
国の制度やニュースを見ていると、「なんでこんな運用になるんだろう」と胸の奥がざわつくことがあります。難民認定の数字や、差別事件、入管での扱い…。でも、その違和感を言語化しようとすると、途中で言葉が詰まってしまう。自分のモヤモヤが感情なのか、制度の問題なのかもよく分からない。そんな感覚、僕もずっと抱えていました。 この本は、人権を“きれいごと”ではなく、実際の運用や裁判例、国際基準と照らし合わせながら解説してくれます。たとえば難民申請者が即日チャーター便で送還されてしまう現実や、日本が受け入れていない国際条約の数々。世界では当たり前のように整備されている差別禁止法や人権機関が、日本ではどこまで実現しているのか。その「距離感」が具体的に見えてくるのが、この本の効きどころだと思います。 もう一つ大きいのは、「権利とは何か」を、欲望でも理想論でもなく、法制度として整理して教えてくれる点です。裁判所の判断や条約の構造を知ることで、自分の感じていたモヤモヤがどこから来ていたのかが少しずつ形になります。社会問題を見て「なんかおかしい」と感じるだけで終わらず、何を基準に考えればいいのかが分かってくる感覚があります。 社会の仕組みに対して違和感はあるけれど、どう考えたらいいのか整理できない人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの14%が集中しています。
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