
ねじまき鳥クロニクル―第2部 予言する鳥編―(新潮文庫)
村上春樹
この本について
生きている意味とか、進む理由みたいなものを考えなきゃいけないのに、正直そこまで余裕がない。放っておくと日常に流されて、気づいたら「まあそのうち考えればいいか」と思ってしまう。僕も同じで、でもその“先延ばし感”の裏で、何かがじわじわと溜まっていく感じがあるんですよね。 『ねじまき鳥クロニクル 第2部』の抜粋を読んでいると、読者が惹かれているのは「死があるからこそ考えざるを得ない」という切羽詰まったリアリティとか、誰にも見えない場所でじたばた闘っている主人公の姿だと思います。余裕はないけれど、それでも目の前の暗闇と向き合うしかない時間って、仕事でも私生活でも突然やってきます。そんなとき、この物語は綺麗ごと抜きで“逃げても意味がない理由”を静かに突きつけてくるんですよね。 もう一つ効いてくるのは、「時間をかけて見る」という叔父の助言です。急いで答えを出そうとすると逆に見えなくなる。でも、何日もじっと街ゆく人の顔を眺めるように、自分の状況に目を凝らすと、ある瞬間ふっと霧が晴れる。その感覚を物語の中で疑似体験できるのが、この巻の面白いところです。 今、この先どう動けばいいかわからない人。焦りと空白のあいだで足が止まっている人。そういう人には、主人公の不器用な闘いが不思議と寄り添ってくれると思います。物語の暗闇に付き合ううちに、自分の中の“ぐしゃぐしゃ”にも少しだけ手を伸ばせるかもしれません。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
読書の順序
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