
NHK「100分de名著」ブックス 古事記
三浦 佑之
NHK出版 / 2014-08-26
この本について
仕事でも日常でも、「自分がいる場所の成り立ちって、実はよく知らないまま生きてるな…」とふと感じることがあります。歴史の大きな流れの中に自分も置かれているはずなのに、その足場がつかみにくいというか。古事記の神話も学校で習ったはずなのに、結局どこがどう今につながっているのか、ずっと曖昧なまま放置してきました。 この本を読んで面白かったのは、神話を“ファンタジー”として扱わず、当時の政治や地域の勢力図を映し出す物語として読ませてくれるところです。タケミナカタが諏訪まで逃げて降伏する描写や、出雲の国譲りが実際の地方勢力の服属を象徴しているという説明を読むと、「神話=遠い話」だったものが一気に立体化します。また、淡路島や壱岐、佐渡などが物語の地名として出てくることで、古事記の世界が実は自分の生活圏の延長にあったことにも気づかされました。自然の中からものが“なる”という日本的な発想の説明も、なんとなく自分の感じ方に近いものがあって、腑に落ちました。 歴史に強いわけじゃないけれど、自分が立っている場所の裏側を知りたい人にはけっこう刺さると思います。神話を暗記する本ではなく、「なぜこう語られたのか」を一緒に考える時間をくれる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの28%が集中しています。
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