
論理的思考とは何か (岩波新書)
渡邉 雅子
この本について
仕事でも日常でも、議論がかみ合わなかったり、自分の考えを言語化しようとして途中で迷子になることってありますよね。自分なりには筋を立てているつもりなのに、相手には全然伝わっていない。この「どこがズレてるのか分からない感じ」に、けっこう長いこと悩んでいました。 この本を読んで少し楽になったのは、論理的思考って“正しい答えに一直線で到達する技術”じゃなくて、前提の置き方や価値観の違いを丁寧に扱う営みなんだと分かったからです。たとえば、アメリカ式とフランス式の小論文の違いの話は、自分が当然だと思っていた文章の構造が、文化によって全く別物になることを教えてくれますし、「論理的とは社会的な合意の上に成り立つもの」という指摘も、議論がすれ違う理由を腑に落ちる形で説明してくれました。 もう一つ印象に残ったのは、論理だけでは新しい発見に届かないという話です。野矢茂樹さんが言う“閃き”やアブダクションの重要性は、仕事で行き詰まると「もっとロジカルに整理しなきゃ」と焦っていた自分には大きな視点の転換でした。原因をさかのぼりながら、自分でも気づかなかった前提を疑うプロセスが、むしろ思考の拡張につながるのだと感じます。 「論理的に考えたいけど、ルールに自分を押し込めるのは違う気がする」という人には静かに刺さる一冊だと思います。自分の思考の癖や立っている前提を見直したいタイミングに、ちょうどいい相棒になります。
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多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの15%が集中しています。
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