
共感の論理: 日本から始まる教育革命 (岩波新書)
渡邉 雅子
岩波書店 / 2025-09-22
この本について
仕事でも日常でも、数字で説明できることばかりが評価される世界にいると、「そもそも、何を大事にして生きたいんだっけ」と立ち止まる瞬間がありませんか。効率や再現性を基準に動いているはずなのに、どこかモヤモヤが残る。僕自身もその感覚をずっと抱えていて、この本を読んでようやく言語化できた部分がありました。 『共感の論理』が面白いのは、「近代の常識」のほうをいったん脇に置き、そもそも人はどう世界と関わってきたのかを、教育と思想の歴史から丁寧に掘り起こしているところです。たとえば、利益を上げることを目的化した経済合理性が、いつの間にか社会全体を動かす原理になってしまったこと。その結果、自然を資源として扱う視点が強まり、格差や環境破壊の根っこにつながっていること。これを押しつけの言説ではなく、「どんな価値を選ぶのか」という個人の迷いに引き寄せて説明してくれます。 もう一つ印象的なのは、日本の作文教育が「内省する力」を育てる営みとして扱われている点です。うまく書くとか正解を書くためではなく、自分の中の揺れや変化を観察する方法としての作文。この視点を知ると、日々の判断が少しだけ静かになるというか、急いで答えを出さなくてもいいんだと思えるようになります。 価値観の基準を自分でつくり直したい人、特に「合理性だけでは説明できない違和感」を抱えている人には、かなり刺さる本だと思います。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの40%が集中しています。
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