
ビジネスの未来――エコノミーにヒューマニティを取り戻す
山口 周
President Inc / 2020-12-21
この本について
仕事に向かうとき、「なんでこんなに心が置いてけぼりなんだろう」と感じる瞬間がありませんか。成果とか効率とか、そういう言葉に押しつぶされそうになりつつ、でも本当は自分の感情や納得感を軽視したくない。そんな揺れの中でこの本を読んだとき、少しだけ息がしやすくなりました。 刺さったのは、人間性に基づいた衝動こそが行動の源だという視点です。退屈ならその場を離れていいし、心が動いたなら迷わず踏み込めばいい。感情を押し殺して合理性だけで働くと、生き物としての力まで削られていく、という言葉はかなり響きました。また、現代が「もう物質的には満ちていて、過去と同じやり方では新しい価値は生まれにくい段階」に来ているという指摘も、自分のモヤモヤを整理してくれました。成長を続ける前提そのものが成立しない、という数字つきの説明は妙に腹落ちします。 さらに、今の世界の脚本を書き換えるのは、中心にいる人ではなく「端役を押し付けられてきた人」だという話も、静かに背中を押してくれます。誰かが変えてくれるのを待つのではなく、自分にも関係があるんだと実感させられました。 今の仕事にうっすら違和感があるけれど、何がズレているのか言語化できない人に特に刺さる本だと思います。自分の感情と社会の構造、その両方を見直すきっかけになる一冊でした。
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