
世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?~経営における「アート」と「サイエンス」~ (光文社新書)
山口 周
この本について
仕事で判断を迫られるたびに、「情報が足りない」「もっと分析しないと決められない」と足が止まってしまうこと、僕もよくあります。論理を積んでも霧が晴れない感じがあって、最後は勘で決めたような、でもその勘を信じ切れない…そんなモヤモヤがずっと残るんですよね。 この本が面白いのは、「論理では割り切れない場面がある」という前提に立ったうえで、じゃあ何を拠り所にすればいいのかを丁寧に示してくれるところです。例えば、システムに適応しつつも、それを相対化できる自分の基準を持つこと。コピーされる技術やデザインではなく、ストーリーや世界観のような“奪われない価値”を軸に判断すること。そして、外の正解を探すのではなく、自分の内部のモノサシで「真・善・美」を選び取ること。どれも実務のシーンにそのまま落とし込めて、腹落ちする感触がありました。 特に、説明可能性よりも「一目見てイイと思える感覚」をどう扱うかという話は、日々の意思決定の質に直結します。理性を否定しないまま、でも感性をちゃんと役に立つ道具として使う。そのバランスをどう取ればいいのかが、本書ではとても現実的に語られています。 外部の評価軸に振り回されがちな人、判断の“芯”を作りたいと感じている人には、静かに効いてくる一冊だと思います。
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