
学校では教えない「社会人のための現代史」 池上彰教授の東工大講義 国際篇 (文春文庫)
池上 彰
文藝春秋 / 201310
この本について
社会情勢のニュースを見ていて、「なんでこうなってるんだっけ?」と途中の文脈だけ抜け落ちている感じ、ありませんか。僕も仕事で国際情勢の話題に触れるたびに、背景があいまいなまま判断していた自覚があって、どこか落ち着かないまま過ごしていました。 この本が助かったのは、歴史を“ざっくり知る”ではなく、“いま起きていることの根っこを知る”方向でつながりを示してくれるところです。読者が保存していた部分を見ると、ヤルタ協定や冷戦の始まり、ソ連の恐怖心、NATOの成り立ちなど、点で覚えていた出来事が一本の流れとしてつながる感じに反応しているように思います。たとえば、スターリンの約束破りが単なる独裁者の暴走ではなく、2000万人を超える犠牲ののちに生まれた恐怖心が背景にある、といった具体的な動機の説明があるだけで、世界地図の見え方が変わってきます。あるいは、「鉄のカーテン」という言葉が外交的な対立の比喩ではなく、実際に人々の生活や国境のあり方をどう変えていったのかが描かれることで、歴史が遠いものではなくなる感覚がありました。 自分の足元の判断力を少し太くしたい人、特に「国際ニュースの地図を頭の中で組み立て直したい」というタイプには静かに刺さる一冊だと思います。
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