
迷わず書ける記者式文章術
松林薫
慶應義塾大学出版会 / 20180215
この本について
文章を書くたびに、「これで伝わるのか」と手が止まることがよくあります。相手の意図を“察して”書き進めては、あとから矛盾に気づいて書き直す。常識と思っていたことを前提にしたせいで、話がズレる。そんな小さな行き止まりが積み重なると、書くこと自体が面倒になっていきます。 この本が助けてくれたのは、文章の上手さより前に「どうやって情報を拾うか」「どうやって構成を作るか」という手前の工程でした。例えば、相手にバカだと思われても一つひとつ確認する姿勢や、仮説と検証を小さく回す癖付けは、日常のメモや企画書でもそのまま効きます。また、文章は“全体→細部”で見せると頭に入りやすいという説明は、構成を考えるときの迷いをかなり減らしてくれました。書くことは最後の仕上げで、その前の準備でほぼ決まるんだな、と腹落ちした一冊です。 仕事で文章を書く人にありがちな、「何を調べればいいかわからない」「どこまで書けば十分なのか判断できない」といったモヤモヤを、現実的なルールと手順でほぐしてくれます。特に“締め切りを自分で決める”という発想は、文章を永遠に直し続けてしまうタイプの人には救いになると思います。 こんな人に刺さるのは、「文章のテクニックより“迷わず書ける流れ”が知りたい人」。書くのが苦手というより、書く前の段階でつまずく人に向いている本です。
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