
会社法(第5版) (LEGAL QUEST)
伊藤靖史, 大杉謙一, 田中亘, and 松井秀征
かんき出版 / 2021-02-03
この本について
会社の形態をどう設計するかって、実務にいると意外と誰にも聞けずに悩むところだと思います。少数株主の扱いとか、持分会社を選ぶと何が変わるのかとか、定款でどこまで融通が利くのかとか。「とりあえず株式会社にしておけば安心」とされがちな部分ほど、細かいところでつまずくんですよね。 この本を読んでいて印象的だったのは、持分会社と株式会社で“どこが本質的に違うのか”が、制度の背景ごと説明されているところでした。たとえば、持分会社では社員の個性が経営に強く影響する前提で、定款変更に原則全員同意が必要とか、譲渡に他の社員の承諾が必要とか、なぜこういうストッパーがあるのかが腑に落ちるように書かれています。逆に株式会社では、少数株主の拒否権を定款で拡大できるようにしているなど、外形上は似た仕組みでも狙いが違うことが分かってきます。 読みながら、制度の丸暗記ではなく「ああ、だから現場ではこう動くのか」と視点が変わりました。短時間で立ち上げたいときに検査役調査がネックになる話や、役員と役員等の線引きなど、実務で地味に迷うポイントも丁寧に拾ってくれます。個々の規定の細部より、“会社という器をどう使うか”を考えたい人に向いている本だと思います。 会社の形態選びに不安がある人、または少人数の事業でどこまで自由度を持てるのか知りたい人には特に刺さるはずです。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの36%が集中しています。
読書の順序
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