
レゾンデートルの祈り (IIV)
楪 一志、ふすい
KADOKAWA / 2025-05-23
この本について
生きる意味が分からないまま、なんとなく毎日を回しているだけの時ってありますよね。理由は説明できないけれど、心のどこかがずっと重くて、普通に笑って過ごしている人たちを見るだけで置いていかれた気になる。僕自身、そういう感覚に飲まれて「何を選べばいいのか」さえ曖昧になることがよくあります。 『レゾンデートルの祈り』は、死にたいわけではないのに、生きる理由が見つからない人たちの姿が丁寧に描かれています。読者が保存していた抜粋を見ても、刺さっているのは“死と生のどちらにも理由があるからこその迷い”とか、“自分が普通の枠に入らないときの孤独”とか、“生きる意味の喪失がどれだけ静かに人を追い詰めるか”といった、言葉にしづらい部分だと思うんです。本書はそこから無理に引き上げてくるような作品ではなく、同じ目線で迷い続ける人たちがどう向き合おうとするのかを見せてくれる。だから読んでいる側も、結論より前にある“揺れ”に寄り添ってもらえる感覚があります。 特に効くと思うのは、自分の迷いが異常ではないと知れること、誰かと話すことでようやく輪郭が出てくる気持ちがあると気付けること、そして生きるか死ぬかの二択ではなく「どう在りたいか」と向き合う余地が残されていると感じられることの三つです。 生きる意味を自力で組み立てるのがしんどい時期にいる人に、静かに届く物語だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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