
リコリス・リコイル Ordinary days (電撃文庫)
アサウラ, いみぎむる, and Spider Lily
KADOKAWA / 2022-09-09
この本について
なんとなく毎日が流れていく感じがして、「このままでいいのかな」とふと立ち止まる時があります。やることはあるのに気持ちが前に出ず、若い頃に比べて“可能性の減り”みたいなものを意識してしまう瞬間もあると思います。そんなときに、この『リコリス・リコイル Ordinary days』の一部の描写が妙に心に残るのは、派手なガンアクションの裏で、登場人物たちがそれぞれの“今”と向き合っているからなのかもしれません。 例えばミカが口にする「人生は残り少ないと思ったら、大人しくなんてしていられない」という一言。残酷に聞こえるのに、どこか優しくて、現実の自分にも向けられているように感じます。閉じていく可能性に気づきながら、それでも自分の速度で動こうとする視点は、焦りの中で沈みがちな気持ちをほんの少し前に押してくれるかもしれません。また、千束がふいに見せる“新しい視点”のように、他人の一言が世界の色を変える瞬間の描写も、この物語の静かな魅力だと思います。 派手な要素に見えて、その裏側には「日常の行き詰まりをどう扱うか」というテーマがちゃんと息づいているので、アクションを楽しみながらも、どこか自分の生活の隅で起きている感情に触れられる作品です。こんな人に刺さると思います。自分のペースで前に進みたいけれど、どこかで立ち止まってしまう人に。
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