
東京どこに住む? 住所格差と人生格差 (朝日新書)
速水 健朗
株式会社朝日新聞出版 / 2016-05-13
この本について
住む場所を決めるときって、「家賃と通勤時間のバランス」で無難に落としがちですが、本当はもっといろいろ気になりますよね。東と西の空気感の違いとか、郊外に行くべきか都心に寄せるべきかとか。自分でも何を基準に選んでいるのかよく分からないまま、なんとなく今の場所に留まっている人は多いと思います。 この本が面白いのは、「なぜ東京でその差が生まれてきたのか」を、歴史や都市政策まで遡って説明してくれるところです。たとえば「日本人は引っ越しが少なすぎる」という話を読むと、今の居場所に固着してしまう理由が少し腹落ちしますし、「都心回帰が実はここ10年で急に起きた現象」という視点は、いまの街づくりや家賃相場の流れを立体的に見せてくれます。東西の違いが単なるイメージではなく、交通や階層の歴史と結びついていると知ると、自分の中の偏見にも気づかされます。 読んでいて一番効いたのは、「住む場所の選択は、職業選び以上に人生の格差を生む」という指摘でした。大げさに聞こえるけれど、都心・郊外・湾岸がどう変化してきたかを追っていくと、確かに環境の選び方で日常の行動量や人付き合いまで変わっていくんですよね。引っ越すか迷っている人だけでなく、「いまの暮らしの前提を見直したい人」にも刺さる一冊だと思います。
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多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの16%が集中しています。
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