
決定版 大東亜戦争(上)(新潮新書)
波多野澄雄, 赤木完爾, 川島真, 戸部良一, and 松元崇
この本について
戦争の話になると、どうしても「正義か悪か」みたいな白黒の議論になってしまって、結局よく分からないままそっと閉じる…そんな感覚を持っている人は多いと思います。平和の大切さは分かるけれど、具体的に何が起きていたのかを自分の言葉で語れない。僕自身もずっとその居心地の悪さを抱えてきました。 この本は、そのモヤモヤに少し風を通してくれます。たとえば、日本と現地の人々のあいだで交わされた独立や自治をめぐる葛藤を追うと、「解放か侵略か」という単純化ではとても説明できない世界が見えてきます。また、ビルマやフィリピン、さらには中国大陸で、日本と戦わない選択をした勢力が存在したという事実も、日本史の授業ではなかなか触れない視点でした。そして、戦争を語るときに私たちが当然のように使っている呼び名さえ、実は政治や立場の影響を強く受けているという点も、読みながら何度も足を止めたところです。 歴史の評価を急がず、まず「何が重なって、どう動いていたのか」を落ち着いて見たい人にはしっくりくる一冊だと思います。僕もこれを読んで、過去を判断する前に、まずは複雑さをそのまま受け止める姿勢を持ち直しました。ここに書かれているのは派手な答えではなく、静かに視界を広げるための材料です。そんな読み方をしたい人に、そっとすすめたい本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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