
防災アプリ 特務機関NERV
川口 穣
平凡社 / 2022-02-24
この本について
災害のニュースを見るたびに、「結局どの情報を信じて、どう動けばいいのか」というモヤモヤが残ります。アプリを入れていても、本当に役に立つのか、自分はちゃんと判断できるのか……。僕自身もその不安を抱えたまま、なんとなく通知を眺めていました。 『防災アプリ 特務機関NERV』を読んで少し視点が変わったのは、技術の裏側よりも、「情報には限界がある」という前提を徹底して書いているところです。作り手側がここまで率直に語るのかと思うほどで、通知ひとつの裏にある設計や、個人の主体性にゆだねる姿勢が、単なる便利アプリとは違う重さを持って伝わってきました。大切な人に「逃げて」と伝えるために試行錯誤し続ける石森さんの行動原理も、きれいごとではなく現実的で、だからこそ読んだ後に自分の行動を見直したくなります。 特に刺さったのは、「情報を待つのではなく、自分で行動する」という繰り返しのメッセージです。僕らはどうしても“正しい情報さえ届けば助かる”と思いがちですが、その前提が壊れる瞬間を、東日本大震災の経験から彼らは痛感している。だからこそ、技術で時間を稼ぎつつ、最後は自分で判断するしかないという当たり前を、丁寧に積み上げてくれます。 災害情報に振り回されがちな人、自分の判断に自信が持てないまま通知を受け取っている人には、とても静かに効く一冊だと思います。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
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