
情報セキュリティの敗北史
アンドリュー・スチュワート and 小林啓倫
この本について
日々セキュリティのニュースを見ても、結局「なぜこんなに事故がなくならないのか」がずっとモヤモヤしたまま残ることがあります。技術を勉強しても穴は尽きないし、組織にいても理想論と現実のギャップに振り回される。自分もそうで、この本はその答え合わせをするような感覚で読みました。 本書は、今の混乱を“歴史の積み重ね”として見せてくれます。例えば、コンピュータの同時利用が当たり前になった瞬間から、ユーザー同士が干渉し合う脆弱性の芽は生まれていたこと。ファイアウォールのような便利な仕組みも、根本的には単一障害点を抱えたまま進化してきたこと。そしてアサンジの話にも象徴されるように、「白か黒か」で語れない利害の衝突がずっと背景にあったこと。いま表に見えている問題の多くは、むしろ必然だったのだと腑に落ちました。 過去を知ると、いま自分が直面している悩みの輪郭が変わります。対症療法だけに振り回されず、構造をどう見るか。仕事で「なぜこんなに脆いんだ」とため息をつく場面で、一歩引いて考える材料をくれる本です。技術者だけでなく、情報セキュリティに振り回されてきたビジネス側の人にも刺さると思います。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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