
神経美学 美と芸術の脳科学 共立スマートセレクション
石津 智大 and 渡辺 茂
共立出版 / 2020-02-20
この本について
日々仕事をしていると、つい「自分の感じている美しさってどれくらい主観的なんだろう」とか、「なぜある作品には意味もなく心を揺さぶられるのか」と考えることがあります。説明できないままモヤモヤしていた感覚が、実は脳の働きにかなり左右されていると知ると、少しだけ肩の力が抜けました。 『神経美学』が面白いのは、美や芸術を“感性の話”だけで終わらせず、赤ちゃんがなぜ美しい顔を無条件に好むのか、悲しい音楽がなぜ妙な安らぎを生むのか、なぜ崇高さが他者への優しさにつながるのか、といった体験を具体的な脳の動きと結びつけて説明してくれるところです。自分が作品に圧倒されたとき、なにが起きているのかを知るだけで、同じ鑑賞でも見えてくるものが変わります。 とくに、「一度知ってしまうと白紙には戻れない」という話や、芸術が“距離”の取り方で快と不快を混ぜてくる仕組みは、仕事で情報に触れすぎて感受性が鈍ったように感じていた自分には刺さりました。自分の反応が鈍ったのではなく、脳がそういう処理をしていただけなのかもしれません。 作品に理由もなく惹かれる瞬間の「なるほど、その裏にはこういうメカニズムがあったのか」を知りたい人に向いている一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
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