
美の起源 アートの行動生物学 共立スマートセレクション
渡辺 茂 and 長谷川 寿一
共立出版 / 2016-08-30
この本について
美的なものに触れているはずなのに、「なんで自分はこれを美しいと思うんだろう」とか、「他の人が良いと言う理由が全然わからない」とか、そんな小さな引っかかりが積み重なることってありますよね。自分の感覚を信じていいのか、そもそも美しさってどこから来るのか、ふと考え始めると底なしになります。 この本を読んで面白かったのは、美を“人間の内側だけで完結した話”にしないところです。ゾウが絵を描くように見えて、実は耳の合図で線を引かされていたり、トゲウオのオスが状態が悪いほど派手に色を出して虚勢を張ったり、動物の行動を通して「美しさって、意外なほど生存戦略とつながっている」とわかっていく。さらに、10カ国で好まれる風景がほぼ同じだったという調査結果や、合理主義と経験主義の違いなど、人の美意識を文化だけで説明しない視点が自然と身についていきます。 僕自身、美やアートを“ふわっとした感性の話”として扱うのがしっくりこなかったのですが、進化や比較認知の視点が入ることで、日常の「なぜ好きなのか」が少し言語化しやすくなりました。美を特別扱いしすぎず、でも軽くも扱わない、その中間がほしい人に刺さると思います。
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ハイライト密度
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