
きのうのオレンジ (集英社文庫)
藤岡陽子
この本について
最近、人に頼るのが怖いとか、弱っている姿をどう扱えばいいのか分からないまま、日常だけは過ぎていく……そんな感覚を抱えている人、多いと思います。自分も「迷惑をかけたくない」と突っ張りながら、結局どこに気持ちを置けばいいのか分からなくなる時があります。 『きのうのオレンジ』は、その行き場のない気持ちをまっすぐ描いてくれる物語でした。誰かに甘えることへの情けなさや、疲れをリセットできない日の重さ、言葉にしづらいやるせなさ。そのどれもを無理に肯定したり励ましたりせず、「こういう瞬間って確かにあるよな」と寄り添ってくれる感じがあります。特に、遼賀が自分の無力さに沈みながらも、それでも何かを探そうと足を動かす場面は、自分の生活の中にも同じような瞬間があるなと思い知らされました。 そしてこの作品が静かに効いてくるのは、弱さそのものを dramatize しないところです。疲れているときは風呂に入って寝るしかない、気を遣われすぎるとどうしていいか分からなくなる、頑張りすぎんなという伝言。どれも特別な言葉じゃないのに、自分の生活にそのまま持ち帰れる現実味があります。生きるとか死ぬとかを大げさに語るのではなく、「人はこうやって誰かと影響を与え合いながら生きていくんだな」と自然に思わせてくれるのが、この本の良さだと思いました。 人に頼ることや弱さの扱い方に迷っている人に、静かに刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの40%が集中しています。
読書の順序
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
BookNotion をお使いの方へ
この本の指標は、あなたの本棚でも見られます
このページで見ている読者数・精読度・完走率は、あなた自身の本にも表示できます。BookNotion をお使いなら、下のリンクを開くだけで自分のデータが出ます(ログイン操作は不要です)。
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要






