
日本の会社員はなぜ「やる気」を失ったのか (平凡社新書1044)
渋谷和宏
平凡社 / 2023-11-15
この本について
最近、仕事でじわっと感じる違和感があります。自分の努力とかスキル以前に、「そもそも会社の土台そのものが伸びていないんじゃないか」と思ってしまうあの感覚です。給与が上がらない理由も、転職しても本質的に状況が変わらない理由も、目の前の自分だけでは説明しきれない。そんなモヤモヤを抱えたまま働いている人は多いと思います。 この本は、その違和感を「気のせい」にせず、90年代以降の日本企業がどう変化してきたのかを、かなり具体的に描いてくれます。たとえば、家電メーカーの競争力が落ちた背景にある“縮み経営”や、部品の集積度が上がったことで「技術があれば勝てる」時代が終わったこと。さらには、付加価値が生まれない構造がそのまま賃金停滞につながっている現実など、普段ぼんやりとしか感じていなかった流れがつながって見えてきます。 読んでいて、一社員としての自分の問題というより、「自分が働いている環境そのものの前提」が変わっていたんだ、と腹落ちする瞬間が何度もありました。会社への不満とか、自分のキャリアへの焦りを責めるというより、いま起きていることを正しく理解するための土台をくれる本です。 自分の停滞感の正体を、もう少し現実的に言語化したい人に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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