
2030 半導体の地政学(増補版) 戦略物資を支配するのは誰か (日本経済新聞出版)
太田泰彦
日経BP / 2024-02-16
この本について
仕事で半導体まわりのニュースを追っていても、「結局どこが本質なんだろう…」とモヤッとすることが多いですよね。企業名も国名も多すぎて、点で覚えても全体像につながらない感じ、僕もずっとありました。 この本が助けてくれたのは、抽象的な「地政学」ではなく、実際にバリューチェーンのどこに力点があるのかを、具体的な風景として描いてくれたところです。アームやASMLがなぜ“詰まると全体が止まる場所”なのか、都市設計にたとえて説明されると、一気に頭に入ってくるんですよね。また、政府の補助金の話も、金額を並べるだけでなく、どのタイミングで何を狙ったのかが描かれていて、日本が「どこに賭けているのか」がやっと理解できました。 もう一つ印象に残ったのは、米国の法律や規制の“運用の仕方”まで踏み込んでいる点です。CHIPS法のガードレールや232条が、建前よりも“どう使われるか”のほうが影響力を持つという視点は、国際ニュースを見る角度を変えてくれました。単に技術の話でも政治の話でもなく、企業の日々の意思決定までつながってくる感覚があります。 業界に詳しくなくても、サプライチェーンの裏側を現実味をもってつかみたい人には特に刺さると思います。僕自身、ニュースがパズルのピースではなく、地図として見えるようになった一冊でした。
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