
アイデアが実り続ける「場」のデザイン 新規事業が生まれる組織をつくる6つのアプローチ
小田 裕和
翔泳社 / 2024-05-17
この本について
新規事業まわりの話って、「正しい課題を見つけなきゃ」「顧客の声を取りに行かなきゃ」と気持ちだけが先走って、実際には動けないまま時間だけ過ぎていくことが多いですよね。僕自身も役員会向けの資料を前に、「本当にこれでいいのか…」と正解探しに迷い込んでしまうタイプです。 この本が効いたのは、まず“外の正解より、自分の心の動きを起点にする”という視点でした。「顧客X」を想像して苦しむより、自分が金を払うかどうか、行動するかどうかを徹底的に観察する。そのシンプルさが案外抜け落ちていたなと感じます。そしてもう一つは、課題を“描いて開いて直す”というプロセス。山の図のように一度描いて終わりではなく、対話の中で少しずつ解像度を上げていく。その地道さの中で、仲間が増えていく感覚が腑に落ちました。 さらに印象的だったのは、組織における「まなざし」を問い直す重要性です。本業の正答感覚を引きずると、新規事業に必要な探索の余白が失われていく。判断を急がず、知らない領域の人との関係性を積み重ねることで、ようやく新しい価値観が芽生える。これは個人の働き方にもそのまま響きます。 正解を探しすぎて動けなくなっている人、自分の想いの根っこを見失いかけている人には、静かに効いてくる本だと思います。
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