
エンピツ戦記 誰も知らなかったスタジオジブリ (中公文庫)
舘野仁美、平林享子
中央公論新社 / 2025-05
この本について
仕事でも創作でも、何かを「ちゃんとつくりたい」と思うほど、自分の粗さや迷いが気になって、手が止まることってありますよね。周りの基準にも揺さぶられるし、どこまでやればいいのかもわからない。私もよくその沼にはまります。 『エンピツ戦記』は、そんな迷いに対して「視点の置きどころ」を静かに変えてくれる本でした。抜粋からも伝わりますが、ジブリの現場って華やかさよりも、作品のクオリティに奉仕し続ける人たちの積み重ねで成り立っていて、そこには“根気よく学ぶ姿勢”とか“自分に向き合う厳しさ”がものすごくリアルに描かれています。人の絵に宿る品格を見抜く話や、意味のある苦労は必ず絵に出るという感覚は、自分の仕事にそのまま持ち帰れるものばかりでした。宮﨑さんの「つくり手であれ」という言葉も、消費者視点に流されがちな日常を少し正してくれます。 ただ、一番刺さったのは、誰もが過酷な環境に耐えていたわけではなく、「何を守りたいか」で覚悟の種類が分かれる、というリアルさでした。がむしゃらだけが正解ではないけれど、得たいものがあるなら一度は踏み込んでみる価値がある。その距離感がとても誠実です。 ものづくりに関わっている人はもちろん、「自分の仕事にどんな姿勢で向き合えばいいのか迷っている人」に静かに効いてくる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの14%が集中しています。
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