
竹林の七賢 (講談社学術文庫)
吉川忠夫
講談社 / 2024-06-13
この本について
仕事でも日常でも、「正しさ」が増えすぎて、どこに自分の判断を置けばいいのか分からなくなる時があります。誰かが決めた道を歩くのは楽だけど、どこかで息苦しさが出てくる。とはいえ、自分の基準だけで生きていいのかと言われると、それはそれで不安が残る。そんな揺れに近いものを、この本の抜粋から感じている人が多い気がします。 漢王朝の崩壊で儒教の権威が落ち、価値観の土台がなくなった魏晋の人びとが、それでもそれぞれのやり方で生きる道を探した、というくだりは、今の「正解のない時代」とよく似ています。さらに、後世の東晋の人たちが「竹林の七賢」に理想を投影し、混乱の時代に自分たちなりの姿勢を探そうとした姿は、歴史の話なのに妙に現実味があります。彼ら自身が名乗ったわけでもなく、時代が勝手に意味づけしていくところも、人間が不安の中で“拠りどころ”を求める行動そのものです。 この本は「七賢は自由人だった」といった単純なイメージを裏返し、彼らが生きた時代の空気や、後世がどう読み替えてきたかまで丁寧に追っています。そのおかげで、自分の中のモヤモヤを「時代が変わるってこういうことか」と少し俯瞰できるようになるし、何を選べばいいか分からない時の“距離の取り方”も掴みやすくなると思います。混沌の中でも静かに自分の態度を探したい人には、とても落ち着く一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの60%が集中しています。
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