
老後ひとり難民 (幻冬舎新書)
沢村香苗
この本について
年齢を重ねるほど、「もし自分に何かあったら、誰が動いてくれるんだろう」とふと不安になることがあります。入院の手続きや延命治療の判断、亡くなったあとの片づけまで、頭では「そのうち考えよう」と思っていても、実際はどこから手をつければいいのかよくわからないまま時間が過ぎてしまうんですよね。僕自身もそうでした。 この本がよかったのは、漠然とした不安を「現実に起きる具体的な場面」に落としてくれるところです。たとえば施設入居の契約には本人以外の署名が求められることが多いとか、身元保証サービスを使うと200万〜300万円ほどかかるとか、亡くなったあとの公共料金の停止や遺言書の作り方まで、日常の延長線上で起こりうることを一つずつ示してくれます。怖がらせるためではなく、「知らないままだと困るから、今のうちに小さく準備しておこう」という感覚に近いです。 さらに、地域包括支援センターや居住支援法人、死後事務委任契約など、頼れる仕組みの存在も丁寧に説明されていて、「全部ひとりで背負わなくてもいいんだ」と少し肩の力が抜けました。慣れたパジャマを持ってきてくれる人がいないかもしれない、そんなささやかな不安にちゃんと光を当ててくれる本です。 将来のことを考えると胸がざわつくけれど、現実的に備えたいと思い始めている人に刺さる一冊だと思います。僕と同じように「ぼんやり不安」を抱えているなら、視界が少し明るくなるはずです。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
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