
ボタニストの殺人 下 ワシントン・ポー (ハヤカワ・ミステリ文庫)
M W クレイヴン、東野 さやか
この本について
仕事でも人づきあいでも、自分の中でうまく言語化できない違和感ってありますよね。なにかおかしい気がするのに、目の前の情報をどう結びつければいいのか分からない。ひとりで抱えていると、余計に霧が濃くなる感じがします。 『ボタニストの殺人 下』に出てくるポーもまさにその状態で、彼自身も「なにを探しているのか分からないけれど、なにかを探さずにはいられない」と迷い続けています。そんな彼が少しずつ突破口を見つけていく過程には、現場での観察の積み重ねとか、人との距離感の取り方とか、意外と日常にも流用できる視点が混ざっているんですよね。たとえば、相手の言動から日課や癖を拾っていく地道さとか、自分の思い込みに固執せずに情報がそろうまで判断を保留する姿勢とか。派手さはないけれど、混乱の中で落ち着きを取り戻すヒントが散らばっています。 それに、ポーが孤独を保ちたいと思いつつも、仲間に少しずつ心を開いていく描写がとてもリアルで、読んでいる側も勝手に救われます。誰かを頼るのは弱さじゃない、というメッセージが押しつけがましくなく滲んでくるんです。 混乱した状況でも足を止めず、静かに前へ進みたい人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
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