
魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話
ルル・ミラー and 上原 裕美子
この本について
仕事でも日常でも、自分の判断がどこまで「自分のもの」なのか分からなくなる瞬間ってありませんか。人を分類したり、名前をつけたり、物事を理解しやすく整えるのは必要な作業のはずなのに、その枠に自分まで縛られている感じがして、ふと重くなることがあると思います。 『魚が存在しない理由』は、その感覚に静かに切り込んできます。分類や言葉が持つ力を正面から扱いながら、「人はラベルを見ると本当の姿を見なくなる」という、ごまかしのきかない事実を突きつけてくれる。同時に、ダーウィンの姿勢に象徴されるように、思い込みの外側へ出ることで世界の見え方が変わる瞬間も丁寧に描いてくれるんです。自分に貼られた名前や、人に無意識に貼ってきた名前を、いったん置き直せるようになる感覚があります。 さらに、この本は、人間が優れていると「思いたい」願望がどれだけ危険を生むか、そしてその延長線上で優生学や差別がいかに現実に形を持ってしまったかを追っています。読んでいて胸がざわつく場面も多いのですが、だからこそ、自分の物差しをうのみにしないという姿勢が少しだけ身につく。カオスは避けられないけれど、そこから目をそらさない態度だけは自分で選べるんだと思えました。 社会の分類や言葉に振り回されがちな人、自分の立ち位置に息苦しさを感じている人には、特に刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの81%が集中しています。
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