
アメリカを動かす宗教ナショナリズム (ちくま新書)
松本佐保
この本について
アメリカのニュースを見ていて、政治と宗教がどう絡んでいるのかよく分からず、結局「なんでこうなるんだろう…」と手が止まることがあります。表向きの議論だけ追っても噛み合わない感じがして、背景にある価値観がつかめないまま終わってしまうんですよね。 この本は、その見えない前提をゆっくり手繰り寄せてくれる一冊でした。移民の増加で人口構成が揺れ動くなか、白人福音派がなぜ強く政治に関わるのか。改宗が当たり前の文化だからこそ、宗教勢力の構図がどう動くのか。さらには、メガ・チャーチが福祉の代替になっている現実や、トランプ政権の宗教政策がどこから来てどこへ向かったのか。表面だけ見ていると理解しにくい動きが、立体的に見えてきます。 読み進めるうちに、「アメリカ憲法は国家と教会を分けているけれど、国家と宗教を切り離しているわけじゃない」という指摘に妙に納得しました。だからこそ、最高裁判事の任命から対中東外交まで、宗教が普通に政治の選択に入り込む。日本とは前提がまるで違うという感覚を、初めて実感として掴めます。 国際ニュースを読むたびにモヤモヤする人、あるいは「アメリカを理解したいのに手がかりが見つからない」と感じている人には、静かに効く本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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