
能動的サイバー防御 日本の国家安全保障戦略の進化 (日本経済新聞出版)
持永 大
日経BP / 2025-02-14
この本について
サイバーの話題って、仕事で関わっていても「結局いま何が問題で、どこまで国が踏み込むのか」がぼんやりしたままになりがちですよね。特に能動的サイバー防御まわりは、人によって説明が違ったり、先制攻撃とどう違うのか腑に落ちないまま議論だけが進んでいる感覚がありました。 この本は、そのモヤモヤを静かにほどいてくれます。米国がどうやって受動防御から前方防衛に舵を切ったのか、その背景にある「攻撃されてからでは間に合わない」という現場の実感が描かれていて、日本の議論の位置づけがつかみやすくなるんです。また、日本版能動的サイバー防御を“攻撃し返す話ではなく、重大な被害を未然に防ぐための最終手段”として丁寧に定義してくれるので、言葉のイメージだけで判断しないための軸が持てます。さらに、これまで民間主体だった国内のサイバー対処が、なぜ政府の役割拡大に向かうのか、その必然性を過去の戦略文書の変化から辿れるのもありがたいところでした。 個人的には、「サイバーセキュリティ」から「サイバー安全保障」へと概念が変わった理由を腹落ちさせたい人に特に刺さる本だと思います。政策の細部を追うより、全体像の更新が必要だと感じているときに読みたい一冊でした。
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