
世界は基準値でできている 未知のリスクにどう向き合うか (ブルーバックス)
永井孝志, 村上道夫, 小野恭子, and 岸本充生
この本について
「なんでこの基準ってこうなってるんだっけ?」と、ふと立ち止まってしまうことがありませんか。飲酒は18歳でいいと言われたり、やっぱり20歳のままだったり。飛沫とマイクロ飛沫の境目が“5”と言われても、本当にそれで線が引けるのかよくわからない。仕事でも生活でも、根拠が見えづらい数字に振り回されて、モヤっとする瞬間は多いと思います。 この本は、その「モヤり」の正体を静かにほぐしてくれます。たとえば喫煙や飲酒の年齢がどう決まってきたのかを歴史まで遡って見ていくと、科学的根拠だけではなく、政治的な思惑や社会の空気が複雑に入り混じっていることがわかってくる。そして基準値というものが、一度決まるとなかなか変わらず、気づかないうちに“考えることを止めさせてしまう”道具にもなり得ること。コロナ禍で話題になった飛沫や距離の話も、粒径の数字にこだわりすぎるより、どう飛び、どう漂うのかという性質を理解したほうが実際の行動に落とし込みやすいこと。こういう視点のズレ直しが随所にあり、読んでいて「そういうことだったのか」と肩の力が抜けます。 僕自身、正しさを探しすぎて迷子になるタイプなのですが、「社会が決めた許容のライン」を一度客観的に見つめ直すだけで、自分の判断の軸が少し太くなる感覚がありました。基準に従うだけでなく、自分がどんな世界で生きたいのかを考えたい人に、とても刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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