
歌よみに与ふる書
正岡子規 and 永井祐
この本について
和歌を読むとき、「これって何がいいんだろう…」と立ち止まってしまうことがありませんか。自分の感覚に自信が持てないというか、昔のしきたりや言葉のルールを前にすると、急に息苦しくなる感じがあると思います。僕も同じで、和歌には興味があるのに、どう味わえばいいのか分からず距離ができていました。 『歌よみに与ふる書』は、そこをゆるくほどいてくれる本でした。例えば「客観」と「主観」の話。感情を排除せよと言っているのではなく、理屈を振りかざす主観だけを遠ざける、とても健全なスタンスで語ってくれます。また、凡河内躬恒の白菊の歌を「ささいな噓」と切って捨てつつ、家持の大胆な想像力は肯定する。こういう判断の軸が示されると、和歌ってここまで自由なんだ、と少し肩の力が抜けます。そして「美しいと感じたことを、なるべくよくわかるように表現するだけでいい」という考え方は、和歌に限らず日常の表現にも効いてくるところがありました。 昔の形式や言葉に縛られながら読んでしまう人、あるいは「自分の感じ方は間違っているのでは」と不安になる人ほど、この本の正直さに救われると思います。形式よりも感情、伝統よりも生きた言葉に目を向けたい人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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