
粘菌 その驚くべき知性 (PHPサイエンス・ワールド新書)
中垣俊之
PHP研究所 / 2010-05-07
この本について
仕事でも生活でも、「全体を見て動け」と言われる場面ってありますよね。でも実際は、全体なんて見えないし、そもそも誰も司令塔なんて持っていなくて、目の前の刺激にどう反応するかで精一杯だったりします。そんなとき、この本の粘菌の話を読むと、自分の不器用さが少し肯定されるような、不思議な感覚があります。 粘菌は、迷路を解くときも、ただ自分の前の流れに反応して太くなったり細くなったりしているだけなのに、気づけば全体として最短経路に近い形ができあがります。誰も全体を管理していないのに、結果として“うまくいく”。この自律分散の感覚は、仕事のチームづくりにも、自分の判断の癖を見直すときにもヒントになると思うんです。また、単細胞のはずなのに時間を“覚える”とか、刺激を関連づけて反応を変えるとか、人間の根っこの意思決定とそんなに遠くないんじゃないかと感じる場面も多いです。 完全な答えをくれる本ではありませんが、「複雑な問題を前にすると固まってしまう」という人ほど、粘菌の“だいぶ大雑把だけど確かに前に進む”やり方から学べるものがあると思います。こういう余白の大きい科学の話が好きな人には特に刺さるはずです。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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