
WHAT IS LIFE?(ホワット・イズ・ライフ?)生命とは何か
ポール・ナース and 竹内 薫
ダイヤモンド社 / 2021-03-10
この本について
仕事でも日常でも、複雑なものに向き合うときって「結局どう捉えたらいいんだろう」と手が止まることがあります。効率よくやらなきゃと思う一方で、現実はそんなに最適化されていないし、情報も多すぎて正しい判断ができているのか不安になる。僕自身もよくこの沼に落ちます。 『WHAT IS LIFE?』が面白いのは、生命の話をしているようでいて、「複雑な世界とどう距離を取るか」という視点をくれるところです。たとえば、生命は最大効率で動いているわけではなく、「なんとかやっていける」から存続しているだけだという話。これを知ると、自分の仕事の段取りやキャリアの選び方にも、少し余白を許せるようになる。さらに、科学が進歩しても僕らは圧倒的に「知らないことだらけ」だと著者は繰り返します。この姿勢が、判断に迷ったときにいったん外に出て深呼吸する感覚を思い出させてくれます。そして、偉大な発見でさえ、個人の小さな実験や地味な積み重ねから生まれるという視点も、日々の仕事をもう少し信じて続けてみようと思わせてくれました。 生命科学の本だけど、読み終わるころには「複雑さを目録化するより意味をつかむ」という態度が、あらゆる場面で役に立つと気づきます。雑多な情報に疲れやすい人に響く一冊です。
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