
「社会的うつ病」の治し方―人間関係をどう見直すか―(新潮選書)
斎藤 環
新潮社 / 2011-03-25
この本について
人間関係でつまずくときって、相手の言葉そのものよりも、「なぜこんなに疲れるんだろう」という正体の見えない重さに参ってしまうことが多いと思うんです。自分が悪いのか、相手が悪いのか、その判断すらよく分からなくなるような状態。僕自身も、関係がこじれたタイミングで気力が一気に落ちたり、逆に気を遣いすぎて空回りしたり、何度もやってきました。 この本が面白いのは、「うつ」を単なる個人の問題としてではなく、関係性のほうに原因が潜んでいるケースまで丁寧に拾っているところです。相手を変えようとして会話が噛み合わなくなる瞬間や、キャラとして承認されなくなった途端に調子が崩れる仕組みなど、思い当たる人は多いはずです。読み進めるほど、「自分の問題だと思っていたことが、実は“間”の問題だったのかもしれない」と視点が少しずつ動いていきます。 特に効いたのは、人を支えるときに必要なのは説得でも正論でもなく、まめさや“儀式としての聞く姿勢”だという話でした。関係を修復するときも、いきなり核心に触れるより、無理なく続けられる接点を作るほうが大事だと腑に落ちます。自分を保つためにも、誰かを支えるためにも、関係の扱い方を変えるだけで状況がかなり違って見えてくるはずです。 「自分のメンタルの揺れが、人との距離の取り方に左右されている気がする」という人に、静かに刺さる本です。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの40%が集中しています。
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