
承認をめぐる病
斎藤 環
この本について
人と関わるとき、自分でも気づかないうちに「この役割でいれば安全かな」と身を固めてしまうことがありませんか。職場でも友人関係でも、キャラを崩すのが怖い。空気を読めなかった日の帰り道だけ、やけに自分が小さく感じる。そんなモヤモヤを抱えている人には、この本の視点がかなりしっくり来ると思います。 斎藤環さんは、承認欲求そのものを批判するのではなく、いまの社会が「コミュ力」や「キャラ」を基準に人を序列化してしまう仕組みを淡々と描いていきます。特に、キャラが自然に分化していき、いったん割り振られると簡単には変えられないという指摘は、学生時代の記憶と重なる人も多いはずです。また、承認が他者とのコミュニケーションに一元化されると、どれだけ頑張っても自分で自分を肯定できなくなる、という話は胸に刺さります。自分がしんどかった理由を「性格」ではなく「構造」で説明してくれるので、どこかほっとするんですよね。 読んでいると、この本は何かを劇的に変えてくれるというより、ずっと曖昧だった不安の輪郭をゆっくり整えてくれる感じがあります。承認をめぐる問題は、個人が弱いからではなく、今の社会の空気がそうさせているだけかもしれないと気づける。そう思えるだけで、キャラを少しゆるめる余白が生まれる気がします。 自分の「居場所」のつくり方に悩んでいる人にこそ、静かに効いてくる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの57%が集中しています。
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