
日本人の9割が知らない遺伝の真実 (SB新書)
安藤 寿康
SBクリエイティブ / 2016-12-05
この本について
「努力してるのに伸びないのは、結局“生まれつき”のせいなのかな」。そんなことを考えてしまう瞬間って、ふいに来ますよね。自分のことでも、子どものことでも、説明のつかない差にモヤッとする。でも遺伝を持ち出すと、一気に話が極端になりがちで、どこまで受け止めればいいのか分からなくなる。その中間の感覚を丁寧に拾ってくれるのが、この本でした。 行動遺伝学の話と聞くと難しそうですが、実際はかなり現実的です。たとえば「才能は、まだ発現していないものを引っ張り出すより、すでに出ている小さなサインの中に価値を見出すこと」という視点は、日常の観察の解像度を変えてくれます。また「家庭環境は思うほど子どもの個性を決めない」という説明も、親として変に背負いすぎていた責任を少し手放せる感覚がありました。さらに、知能や性格の遺伝率を扱いながらも、「社会が何を評価するかが変われば、才能の立ち上がり方も変わる」という視点があって、遺伝=決定論ではないことがよく分かります。 遺伝の話は怖くも聞こえるけれど、自分の感覚や選び方に「なぜそうなのか」の背景を与えてくれると、少し生きやすくなる。そんな一冊です。自分や子どもの「向き・不向き」に振り回されてきた人に静かに刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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