
青春論
坂口 安吾
Google Play Books / 2007-11-30
この本について
なんとなく「もっと深く考えなきゃ」とか「ちゃんと大人らしく整理された答えを持たないといけない」と焦るときってありますよね。頭では理屈をつけようとしているのに、実際の生活や感情は全然ついてこない。そのギャップに疲れてしまう瞬間、けっこうあると思います。 坂口安吾の『青春論』は、その無理やりな“理屈合わせ”を一度素朴にほどいてくれる本でした。人間の精神が持つ非現実性と、家庭や恋愛といった生活のリアルがどうしたって噛み合わないこと。七十になっても奇跡を追う浅さや甘さが人間の本性として残ること。安吾はそこを冷たく切り捨てるのではなく、「そういうものだよ」と静かに示してくれます。深刻ぶる自分も、成熟しきれない自分も、無理に正当化しなくていいという感覚が、読んでいると戻ってきます。 そしてもう一つ印象的なのは、安吾自身が「誰かの心の痛みにだけ効けばいい」と言うところ。役に立ちたい気持ちはあるけれど、誰にでも効く万能薬ではないと認めている。この距離感が、読者側のしんどさを逆に軽くするというか、無理に前向きにさせられない安心感があります。 きちんと生きたい気持ちと、どうせ人間そんなに強くないよなという感覚のあいだで揺れている人に刺さる一冊です。気持ちの置き場が見つからないときに読むと、過度な期待や自己像から少し離れられると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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