
恋愛論
坂口 安吾
講談社 / 1986-05-08
この本について
恋愛まわりの悩みって、正解がないくせに日常にはずっと居座るので、どう向き合えばいいのか分からなくなる瞬間があります。好きになっても報われるとは限らないし、かといって距離を置けば置いたで「本当はどうしたいんだろう」と自分に迷う。頭では整理できないのに、心だけが勝手に動くあの感じです。 坂口安吾の『恋愛論』は、そういうモヤモヤをスッキリ解決してくれる本ではありません。ただ、「恋愛ってそういうもんだよな……」と、少しだけ肩の力が抜ける方向に視点をずらしてくれます。恋は幻だと知っていても人は恋をせずにはいられない、得恋も失恋も苦しさの質が違うだけで同じ重さを持っている、精神も肉体もどちらも裏切る。こういう現実的な視点が、恋愛をきれいにまとめようとする気負いを静かに剥がしていきます。 読んでみて思ったのは、恋の理屈を教えてくれる本じゃなくて、「人は結局それでも恋をしてしまう生き物なんだ」という前提を受け入れるための本だということです。自分の真実だけを丁寧に拾えばいい、と言われているようで、恋に限らず人との距離感に迷った時にも効きます。 恋愛を「うまくやりたい」というより、「自分はなぜこんなに揺れるんだろう」と立ち止まりたい人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの15%が集中しています。
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