
恋愛論 完全版 (文庫ぎんが堂)
橋本治
イースト・プレス / 2014-07-20
この本について
恋愛に限らず、人との距離感でつまずく時ってありますよね。頭では分かってるのに、自分の気持ちに確信が持てなかったり、相手の世界にうっかり入り込みすぎて苦しくなったり。しかも、周りにある “それっぽい恋愛像” に合わせようとして、余計に自分が何を感じているのか分からなくなることも多いです。 『恋愛論 完全版』は、そういう混乱の中にいる人に、「そのモヤモヤ自体がちゃんと現実だよ」と教えてくれる本でした。恋愛を美化しないし、逆に否定もしない。むしろ、人が恋に落ちる時の“ガードが壊れる瞬間”とか、嫉妬を抱えてしまう友人側の視点とか、「ああ、そういうことか」と思い当たる場面がやたら多いんです。読者が保存した抜粋にもあるけれど、感動を持ちこたえられない人の不安とか、一般性に逃げ込みたくなる若さの習性とか、妙にリアルでごまかしがない。 個人的に大きかったのは、恋愛が幻想であっても、それを求める気持ちは本物だと言い切るところ。幻想を捨てろでも、突き進めでもなく、そこから自分の現実をつくる作業こそが恋愛なんだと示されると、ちょっと肩の力が抜けました。「ちゃんと感じていいし、ちゃんと間違えていいんだな」みたいな感覚です。 きれいごとの恋愛論がしっくり来ない人、または「自分の気持ちの処理方法が分からない」と quietly 迷っている人に、静かに刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの37%が集中しています。
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