
クライマーズ・ハイ (文春文庫)
横山 秀夫
文藝春秋 / 2006-06-10
この本について
仕事でも人間関係でも、「この一瞬をどう扱うか」で後悔することってけっこうありますよね。飲みの席で本音を言えずに帰ってモヤモヤするとか、ちょっとした情報に振り回されて疲れるとか。自分は何を大事にして働いているのか、ふと見失う瞬間がある。そんな時にこの『クライマーズ・ハイ』が不思議と効いてきました。 この物語には、極限状況で働く記者たちの、格好つけようのない“生身”が出てきます。ちっぽけな情報が義理や信頼に化けていく職場の生々しさもあれば、「酔わなきゃ本音を言えない人を信じるな」という厳しい一言もある。どれも綺麗ごとじゃなくて、日々の判断の積み重ねがその人の仕事の質を決めていくのだと静かに突きつけてきます。そして何より、「同じ場面は二度とない」という視点は、普段の仕事を少しだけ丁寧に扱いたくなる。あの一瞬をどう選ぶかで、自分の生きざまがにじむんだよな、と。 それに、この本はただ熱いわけじゃなく、登り続ける人生だけが正解じゃないという視点もあるんです。転んでも、傷ついても、また立ち上がる。その途中で出会うものこそ幸せかもしれない、という余白のある考え方が、読んだあとに少し呼吸を深くしてくれる感じがありました。 仕事に向き合う姿勢をもう一度整えたい人、自分の“踏ん張りどころ”がどこなのか探している人には特に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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