
新・教場
長岡弘樹
小学館 / 2023-03-15
この本について
ときどき、自分でも気づかないうちに場をかき回してしまったり、相手の混乱にさらに混乱を重ねてしまったりすることってありますよね。正しさを持っているつもりでも、いざ現場では判断がぶれる。そのたびに「もっと落ち着いて動けたらな…」と後から思う。僕も同じで、そんな時に手触りをくれたのが『新・教場』でした。 この本には極端なシーンも出てきますが、刺さるところは意外に日常的です。たとえば「同時に声をかければ相手は混乱する」という一節。職場でも家庭でも、言葉を重ねるほど状況が悪くなる瞬間がありますよね。結局、落ち着いて一人が話す方がうまくいく。そんな当たり前を、訓練の世界がはっきり見せてくれます。また「自分の物でも、いったん手を離れれば勝手に取り返せない」というくだりは、感情だけで動こうとした時の危うさをそのまま映していて、焦った判断がどれだけ簡単に線を越えてしまうかを教えてくれます。 さらに、次に来る人のために足場を整える、という考え方も静かに効きます。自分の成果だけに気を取られてしまいがちな日でも、後ろに続く誰かを想像するだけで行動が少し変わる。大きな精神論ではなく、目の前の一歩をどう扱うかの感覚が積み重なっていきます。 どこかで「判断に自信がないまま走ってしまうことが多い人」に特にしっくりくる本だと思います。物語として楽しみながら、明日の態度がほんの少し整う、そんな一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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